消滅時効の起算点 確定・不確定期限付きの債権

 取得時効では、例えばAが甲土地を時効取得する場合、その取得時効の起算点はAが甲土地の占有を開始した時です。では消滅時効の場合、その起算点はいつになるのでしょうか?

(消滅時効の進行等)
民法166条
消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。

 このように民法では、消滅時効の起算点を「権利を行使することができる時」と定めています。では「権利を行使することができる時」とは一体いつなのでしょうか?

「権利を行使することができる時」はケースによって違う

 消滅時効の起算点は「権利を行使することができる時」ですが、その「権利を行使することができる時」は、ケースによって異なってきます。ではどんなケースがあってどんなふうに異なっているのか、今回は「確定期限付きの債権」と「不確定期限付きの債権」について見ていきます。

・確定期限付きの債権
 これは簡単に言うと「いつまでに」が決まっている債権です。例えばAとBが不動産の売買契約を締結して「買主は売主に◯月◯日までに売買代金を支払う」という内容の入った契約書を交わしていたら、その売買代金債権は確定期限付きの債権になります。あるいは、AがBに「◯月◯日までに返してね」と約束してお金を貸したら、そのときのAのBに対する債権は確定期限付きの債権です。
 さて、ではこの確定期限付きの債権の消滅時効の起算点はいつになるのでしょうか?
 確定期限付きの債権消滅時効の起算点は期限到来時です。つまり先ほど挙げた例だと「◯月◯日までに」の「◯月◯日」が消滅時効の起算点になります。これは簡単ですね。

・不確定期限付きの債権
 文字だけ見ると、不確定の期限が付いている、というなんだか訳の分からない債権ですが、これは簡単に言うと「いつまでに」が決まっていない債権です。といってもやはりよく分かりませんよね。具体例を挙げますと「死因贈与」によって生じる債権は不確定期限付きの債権にあたります。死因贈与は死亡したら贈与する、というものです。つまり、贈与を受ける側から見ると「死亡したらもらいます」という債権ですよね。そして死亡の時期は不確定です。だから不確定期限付きの債権になるのです。
 さて、ではこの不確定期限付きの債権の消滅時効の起算点はいつになるのでしょうか?
 不確定期限付きの債権消滅時効の起算点は期限到来時です。先ほど例に挙げた死因贈与で言うと、贈与する者の死亡時です。ここで注意して頂きたいのが「贈与する者が死亡したことを知った時」ではありません。ですので、もし贈与を受ける者が、贈与者の死亡を知らなかったとしても、消滅時効の期間は進んでしまいます。この点はご注意下さい。
 ちなみに、詳しくは相続編で触れますが、相続において、遺産の受取りを放棄(相続放棄)したい等の場合は、相続があったことを知った時から3カ月以内に手続きを行わなければなりません。被相続人の死亡時から3カ月以内ではありません。そして、遺産分割請求権には時効はありません。これらの点は、死因贈与における債権の消滅時効とごっちゃにしないようお気をつけ下さい。
(スマホでご覧の場合、次の記事へ進むには画面下左の前の記事をタップして下さい)

コメント

非公開コメント

サイト運営者

根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
根本総合行政書士です。
宜しくお願いします。

保有資格:
行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

スポンサーリンク

QRコード

QR

お問い合わせ

名前:
メール:
件名:
本文:

スポンサーリンク