復代理 法定代理人の場合

 法定代理人は任意代理人(委任による代理)とは違い、本人に「代理よろしく」と頼まれてなるものではなく、法律の定めによってなるものです。では、法定代理人が復代理人を選任するときはどうなるのでしょうか?
 任意代理人は復代理人の選任にあたり、原則、丸投げはできなかったり、本人の承諾が必要であったりなど、要件がありますが、法定代理人は自由に復代理人を選任できます。
 え?なんで?
 なぜ法定代理人は自由に復代理人を選任できるかといいますと、こう考えるとわかりやすいと思います。赤ちゃんの法定代理人は、通常は親ですよね?例えば、赤ちゃんが相続により土地を取得したときに、その土地について法律的な争いが生じて裁判になったとしましょう。すると、赤ちゃん自身が法廷に立つことは当然できませんので、法定代理人である親が赤ちゃんの代わりにその対応を行わなければなりません。このときに、赤ちゃんの法定代理人である親が、弁護士に訴訟代理(訴訟代理人)を依頼すると、代理人の親が弁護士に「復代理人を依頼した」ということになります。このようなケースで、もし復代理人(弁護士)を依頼するにあたり本人(赤ちゃん)の承諾が必要となると、法定代理人(親)は困ってしまいますよね?赤ちゃんに「この弁護士の先生に訴訟代理を頼んでもいい?」と承諾を求めたところで「バブバブ」という答えしか返ってこないでしょう?Dr.スランプアラレちゃんに出てくるターボくんでもなければ、マトモな答えが返ってくるはずがありません。そして何よりも問題なのは、親(法定代理人)が弁護士(復代理人)を依頼できないことによって、赤ちゃん(本人)自身に大きな損害が生じかねないということです。よって、法定代理人は本人の承諾もなしに、自由に復代理人を選任することができるのです。

補足

 赤ちゃんは法律行為ができません。それは赤ちゃんが未成年者であり制限行為能力者だからというのもありますが、そもそも法律上、赤ちゃんには意思能力がないとされます。これは何も赤ちゃんに限らず泥酔した者も同じように意思能力がないとされます。そして、意思能力がない者が結んだ契約は無効です。実は、民法にこれを明確に規定した条文は存在しません。なぜなら、そんなことは「条文に書くまでもない当たり前のこと」だからです(まあ強いて条文を用いるなら、信義則とか公序良俗とかを引っ張って来ることもできますが)。従いまして、意思能力がない者の契約は無効で、法律上、意思能力がないとされる赤ちゃんには、法律によって定められた法定代理人(通常は親)が保護者になり、法定代理人は赤ちゃんの代わりに法律行為をすることができ、赤ちゃんの承諾なしに弁護士を依頼することも可能なのです。
 尚、人間(自然人)の権利能力の始期や終期といったことについてはこちらの記事をご参照下さい。
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