制限行為能力 被補助人

 被補助人とは「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者」と民法で定められています。被保佐人の定義から「著しく」の文字が抜けています。つまり、被保佐人より症状が軽い精神上の障害を抱えた状態にあるのが被補助人です。被補助人も成年被後見人や被保佐人と同様、本人等の請求により家庭裁判所の審判を受けることで初めてなるものです。

 被補助人には成年被後見人や被保佐人と決定的に違う部分があります。成年被後見人・被保佐人は、例えば本人以外の者が家庭裁判所に請求して「後見開始の審判」「保佐開始の審判」を受けると、対象となった人間(本人)は成年被後見人・被保佐人となります。しかし、被補助人の場合は、本人以外が家庭裁判所に請求するときは本人の同意が必要です。例えば、あるおじいちゃんの家族が「おじいちゃん、補助開始の審判を申し立てた方がいいんじゃない?」と言って家庭裁判所に請求しても、おじいちゃん本人が「そんなことするな!ワシは十分マトモじゃ!」と言えば、家庭裁判所の審判そのものが出ません。なぜ被補助人だけそのようになっているかといいますと、被補助人はほとんどマトモだからです。ほとんどマトモな状態の人が本人以外の請求で制限行為能力者の仲間入りにされてしまうと、もちろん人によりますが、その人の尊厳を傷つけかねません。よって本人の意思というものを尊重して、被補助人に関してだけは本人以外の者が家庭裁判所に請求するときに本人の同意を必要としているのです。

 被補助人は家庭裁判所の「補助開始の審判」を受けることでなることができます。そして補助開始の審判の場合は、次のいずれかの審判とともにしなければなりません。

・民法13条1項各号※のうち、どれを補助人の同意を要する事項とするかの審判
・特定の法律行為には補助人に代理権を付与する旨の審判

※民法13条の規定に関してはこちらの記事をご参照下さい。

 補助開始の審判のときだけは、上記二つの審判のいずれかと一緒にしなければなりません。ここは後見開始の審判・保佐開始の審判と違うところです。
 そして被補助人には、家庭裁判所で選任された補助人が保護者としてつきます。しかし、被補助人は基本マトモです。ですので被補助人の場合は、民法13条で規定された被保佐人が保佐人の同意を要する法律行為(重要な財産行為)の中から、どれを補助人の同意を要するものとするかを決めることができます。それが先述の「民法13条1項各号のうち、どれを補助人の同意を要する事項とするかの審判」です。このとき、民法13条に規定された法律行為の全てについて補助人の同意を要しない、とすることもできます。つまり、被補助人は単独で全ての法律行為を可能、とすることもできるのです。被補助人の場合は「ほとんど制限のない制限行為能力者」となることもあるということになります。

 という訳で今回は以上になります。被補助人はまだかなりの判断能力(意思能力)が残っています。ですので成年被後見人・被保佐人とは少し違った感じになっております。ご注意下さい。
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