担保物権 抵当権の超基本

事例
AはBから「店を始めるのでお金を貸してくれ。絶対にこの商売を成功させて返すから!」と頼まれた。そこで、AはBにその事業資金として200万円を貸した。それからしばらく、Bの店の経営は順調だったが、ある時からBの店の売り上げはどんどん下がっていき、次第に店の経営状況は悪化し、それと共にBの財産状況も悪化した。金に困ったBはサラ金に手を出し、サラ金業者Cから100万円を借金した。それでも足りないBはさらにクレジット会社Dからも100万円を借金した。そして結局、その後、Bは破産した。尚、Bに残っている財産は200万円の不動産だけである。


 さて、この事例で、破産してしまった債務者Bから、債権者A・C・Dの3者が回収できる金額は次のとおりです。

各債権者へのは配当割合→200万÷400万=50%
したがって
Aが返済を受ける額→200万×50%=100万円
Cが返済を受ける額→100万×50%=50万円
Dが返済を受ける額→200万×50%=50万円

 債権者平等原則により、各債権者は平等に扱われ、上記のような結果になります(これについて詳しくはこちらの記事へ)。

 さて、ここからは冒頭の事例について、Aの立場に立って、債権というものについて考えていきたいと思います。
 ところで、Aは結局、Bに貸した200万円のうち、返済を受けられたのは半額の100万円でした。これって、ハッキリ言って、Aとしては貸し損ですよね。しかし、これが債権者平等原則による結果です。それでは、Aは債権者として、何か取るべき手段はなかったのでしょうか?
 それが、あるのです。そしてその手段というのが、今回のテーマである担保物権です。

担保物権

 担保物権にはいくつかの種類がありますが、その中でもっとも現実に利用されていて、代表的な存在が抵当権です。
 ということで、まずは抵当権についての民法の条文を見てみましょう。

(抵当権の内容)
民法369条
抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

 条文中に、抵当権についての非常に重要なポイントが二つあります。それは「占有を移転しないで」と「他の債権者に先立って」です。それではここから、まずはそもそも抵当権とは何なのか?というところから始めて、先述の二つのポイントから、抵当権のその性質・特徴についてご説明して参ります。

そもそも抵当権ってなに?

 日常でもよくある、一般的にもっとも馴染みのある抵当権のケースは、住宅ローンです。ですので、住宅ローンの例でご説明いたします。
 例えば、Aさんが住宅ローンを組んでマイホームを購入したとしましょう。このとき、Aさんに融資をした(お金を貸した)銀行が債権者Aさんは債務者です。そして債権者である銀行は、万が一、Aさんが住宅ローンを返済できなくなったときのために、そのマイホームを住宅ローンの担保として確保します。住宅ローンの担保として確保するとは、わかりやすく言えば「住宅ローンの保証にする」ということです。住宅ローンの保証にするとはつまり、「もし住宅ローンが返済できなくなったらこの不動産(マイホーム)を売っぱらってそのお金をローンの返済にあてます」ということです。そして、もし債務者のAさんが住宅ローンの返済ができなくなった場合、債権者の銀行は、担保にした不動産(マイホーム)を強制的に売っぱらって(競売)、その売却代金からお金を回収できます。これが抵当権です。そしてこの場合、債権者である銀行が抵当権者となり、債務者であるAさんは抵当権設定者となります。また、このとき担保にしたマイホームを、債務(住宅ローン)の担保に供した不動産、といいます。

抵当権の二つのポイント
「占有を移転しないで」と「他の債権者に先立って」の意味


 そもそも抵当権とは一体何なのかは、おわかり頂けたと思います。ここからは、先述の民法369条の条文中にある「占有を移転しないで」「他の債権者に先立って」という二つのポイントから、抵当権の性質・特徴をご説明して参ります。
 まず「占有を移転しないで」ですが、これは、債務の担保に供した不動産を抵当権者(債権者)が占有する必要がない、という意味です。先の住宅ローンの例ですと、Aさんが購入したマイホームはあくまでA自身で占有して、銀行はその不動産(マイホーム)を占有しなくていいということです。これは抵当権の大きな利点です。債権者はわざわざ担保にした不動産を占有する必要がないし、債務者は担保にした不動産を使用し続けることができるので、債権者と債務者双方にとって有難いのです。
 次に「他の債権者に先立って」ですが、こ・れ・が!債権者にとってはかなりアツイ抵当権の特徴になります。どういうことかと申しますと、抵当権をつけておけば、万が一、債務者が破産してしまっても、抵当権を設定した不動産については、優先的にお金を回収することができます。
 え?どういう意味?
 はい。ということで、ここで再び冒頭の事例に戻ります。

  A(200万返せ)
 ↙︎
B(残財産200万円)←サラ金業者C(100万返せ)
 ↖︎
  クレジット会社D(100万返せ)

 このような状況で、各債権者が回収できる金額は、債権者平等原則により次のようになります。

Aが返済を受ける額→200万×50%=100万円
Cが返済を受ける額→100万×50%=50万円
Dが返済を受ける額→200万×50%=50万円

 そしてここさらが肝です。もしAが200万円の貸金について、Bの不動産に抵当権を付けていたとしましょう。すると、なんと結果は次のようになります。

Aが返済を受ける額→200万円
Cが返済を受ける額→0円
Dが返済を受ける額→0円

 これが「他の債権者に先立って」の意味です!これは債権者としてデカイですよね。つまり、抵当権は、債権者平等原則をすっ飛ばせる強力な効果があるのです。

なんで抵当権はそんなに強いの?

 ここまで、そもそも抵当権とは何なのか、そしてその性質と特徴をご説明して参りました。
 ところで、抵当権はなぜそんなに強いのでしょうか?
 ということで、次回、その点についてご説明するとともに、抵当権というものについて、さらにもう一歩踏み込んで考えていきたいと思います。

破産の超基本 債権者平等原則

 今回は、破産について考えて参りたいと思います。

事例1
AはBに200万円を貸し付けた。その後、返済期限が過ぎてもBが一向にその借金を返済しないので、Aは訴訟を提起し、勝訴した。そしてAは強制執行の手続きを取った。


 これは、Bに200万円を貸し付けた債権者であるAが、Aから200万円を借金した債務者であるBが返済期限を過ぎても金を返さないので、裁判を起こして勝訴して強制執行まで至った、という話です(強制執行・差押えについてはこちらの記事、強制執行の前段階までについてはこちらの記事へ)。
 さて、ここでひとつ、こんな問題があります。強制執行で、借金を回収できれば何も問題はありません。しかし、そもそも債務者Bに、差し押える財産がなかった場合は一体どうなるのでしょうか?
 強制執行とは、債務者の財産を差し押えて、その財産を売却して(強制競売)、その売却代金から債権を回収する事です。しかし、これは債務者に財産があることが前提ですよね。つまり、債権者Aが強制執行でお金を回収するには、債務者Bの財産の存在が前提になるということです。債務者Bの財産の中で、債権者Aが差し押さえることができる財産を、Bの責任財産とか一般財産とか言ったりします。そして、借金を踏み倒したBからお金を回収するために、Aができる方法といえば、Bの責任財産・一般財産を差し押えて売却する強制執行以外にはありません。したがって、Bの責任財産・一般財産がすっからかんなら、Aはお手上げなのです。そして、債権者Aがそのお手上げ状態になってしまう典型的なケースが、債務者破産です。

債務者破産の典型的なケース

事例2
AはBから「店を始めるのでお金を貸してくれ。絶対にこの商売を成功させて返すから!」と頼まれた。そこで、AはBにその事業資金として200万円を貸した。それからしばらく、Bの店の経営は順調だったが、ある時からBの店の売り上げはどんどん下がっていき、次第に店の経営状況は悪化し、それと共にBの財産状況も悪化した。金に困ったBはサラ金に手を出し、サラ金業者Cから100万円を借金した。それでも足りないBはさらにクレジット会社Dからも100万円を借金した。そして結局、その後、Bは破産した。尚、Bに残っている財産は200万円の不動産だけである。


 この事例2では、Bに対して「金返せ」という債権者はA・C・Dの3者います。そして各債権者の貸金の金額は、A200万円、サラ金業者C100万円、クレジット会社D100万円です。しかし、Aは破産してしまい、残された一般財産は200万円の不動産だけです。

  A(200万返せ)
 ↙︎
B(残財産200万円)←サラ金業者C(100万返せ)
 ↖︎
  クレジット会社D(100万返せ)

 さて、この時点で、残された財産が200万円の不動産のみのBは、背負った借金→200万+100万+100万=400万円全額の返済は不可能なのがわかります。では、Bに残された200万円の財産の行方は、一体どうなるのでしょうか? Aが回収するのか?それともB?C?
 結論。債務者Bに残された一般財産200万円は、債権者A・C・Dの3者平等に配当されます。
 1番最初にお金を貸したのはAなのに?
 そうです。誰が1番最初にお金を貸したか、つまり、誰が1番最初に債権を有したかは関係ありません。そして返済期限の前後も関係ありません。あくまで債権者は平等に扱われます。これを債権者平等原則といいます。
 従いまして、債務者Bの財産200万円に対して、借金の総額は400万円ですので、債権者A・C・Dの3者は、200÷400=50%の配当をそれぞれ受けることになります。すると、各債権者が返済を受ける額は次のようになります。

Aが返済を受ける額→200万×50%=100万円
Cが返済を受ける額→100万×50%=50万円
Dが返済を受ける額→200万×50%=50万円

 このような形で、Bの破産手続は終了になります。したがって、債権者A・C・Dは、3者とも平等な割合で借金を回収して、3者とも平等な割合で損をするということです。
 ということなので、 債権者平等原則とは、債権者みんなで平等に泣き合う原則、と言ってもいいかもしれません。

破産の裏で泣く債権者

 実は、現実の債務者破産のケースでは、債権者は、1割の配当がもらえればマシ、ぐらいなものです。
 え?そんなもんなの?
 はい。そんなものです。ですので、事例2のA・C・Dは、債務者破産のケースの債権者としては、ありえないぐらいマシです。よく借金問題とか破産事件だとかの話を聞くと、とかく債務者の方ばかりに目が向きがちだと思いますが、しかしその実、その裏には、スズメの涙ほどの配当で泣いている債権者達がいるということです。ですので、クレジットカード会社などが、なぜ、わざわざ申込者を審査するのか、その理由がよくわかるかと思います。

差押え・強制執行の超基本

 今回は、期限が過ぎても債務の履行をしない債務者に対し、債権者が訴訟を起こしてからの債権の世界、その超基本について、ご説明して参ります。

事例
AはBに300万円を貸し付けた。その後、返済期限が過ぎてもBが一向にその借金を返済しないので、Aは訴訟を提起した。


 これは、債務者のBが返済期限を過ぎてもその借金を返さないので、債権者のAが裁判を起こした、という話です。
 さて、この金の貸し借り(金銭消費貸借契約)のケースで、Aが裁判で立証しなければならないことがあります。それは次の二点です。
1・返還の約束
2・金銭の授受
 つまりAは、Bの「返済期限までに300万円を返済する義務」と、Bに対して「実際にお金を貸したこと」を、証明しなければ裁判に勝てません。また、他にも弁済期の到来(返済期限の到来)も主張すべきとされています。
 これらの証明は、借用書があれば、その強力な証拠になります(だから貸金・借金の借用書は大事ナノダ!)。
 そして、債権者Aの立証・主張が認められれば
「BはAに対し金300万円を支払え」
というような判決文を裁判所が書き、無事、Aの勝訴となります。

強制執行

 ところで、そもそもなぜ、債権者Aは裁判を起こす必要があるのでしょうか。裁判は、時間も手間もお金もかかります。そして裁判に勝って、裁判所に「BはAに対し金300万円を支払え」というような判決文を書いてもらって、それでどうなるのでしょうか?Bがその判決文を見て自主的に300万円を返してくれる?だったら、Bが往生際の悪いヤツで、それでも300万円を返そうとしなかったら?
 そうなんです。たとえ判決が出ても、必ずしも、Bが300万円を返すとは限りません。もしBが金を返さないままなら、判決文はただの紙切れとなってしまいます。となると、Aはただの紙切れのために時間と手間とお金を使った!ということになってしまいます。
そこで!「BはAに対し金300万円を支払え」という判決文を手に入れたAは、強制執行の手続きを取ることになります。強制執行とは、簡単に言えば、国家権力を使って強制的に目的を果たすことです。それが判決文を手に入れることにより可能になります。RPGゲーム的に言えば、裁判というイベントをクリアすると「判決文」というアイテムが手に入り、判決文があれば「強制執行」という魔法が使えるようになります。つまり、債権者Aは、判決文をもらって強制執行の手続きをして、国家権力を使って、強制的にBから債権を回収(借金を回収)することができます。

差押え

 強制執行には、不動産執行、動産執行、債権執行があります。そしていずれの強制執行も、債務者の財産を差し押えて行います。差押えとは、債務者の目的財産の処分行為を禁止することです。
 従いまして、債権者Aは、まず債務者Bの財産を差し押えて勝手に財産を処分できないようにした上で、差し押えた財産を売却して(これを強制競売という)、その売却代金から借金を回収することを、国家権力を使って強制的に行うことができます。強制的とは「Bの意思に関係なく」ということです。つまり、いくらBが泣こうがわめこうが、国家権力を使って無理矢理Bの財産を差し押えて売却して借金を回収するというわけです。
 Bがかわいそう!
 確かにそうかもしれません。しかしこれは、そもそも借金を返さないBが自ら引き起こした結果です。さらに言えば、Bがかわいそうなら、300万円を返してもらえないAはどうなの?となりますよね。
 というわけで、皆さん。借りたお金はしっかり返しましょう(笑)。ただし、悪徳金融業者にはお気をつけ下さいね(これについてはまた別の機会に改めてお話いたします)。

金の貸し借りで考える債権の世界

 債務を履行するとは、約束を守ることです。
 債務を履行しないとは、約束を破ることです。
(債権債務の超基本はこちらの記事へ。債務の履行・債務不履行について詳しくはこちらの記事へ)。
 さて、では債務を履行しない=約束を破った先には、一体どんな債権の世界が待ち受けているのでしょうか?今回はその問題について、わかりやすく、現実にもよくあるお金の貸し借り(金銭消費貸借契約)を例に、ご説明して参りたいと思います。

事例
AはBに300万円を貸し付けた。その後、返済期限が過ぎても、Bは一向にその借金を返済しない。


 まず、各当事者の立場と関係性を確認します。
 Bに300万円を貸したAは、Bに対して「300万円返せ」という債権を持ちます。つまりAは債権者です。
 そして、Bは「返済期限までに300万円を返さなければならない」という債務を負います。つまりBは債務者です。

債権者 債務者
 A → B
   ↑
   債権
 (300万返せ)

 このようになります(Aを貸金業者と考えるとよりイメージしやすいでしょう)。
 さて、事例の債務者Bは、返済期限を過ぎても300万円を返しません。つまり、Bは債務を履行しないまま期限を過ぎた=約束を破っています。では債権者Aは、Bに対して、これから一体どのような行為・手続きを行っていくことになるのでしょうか?
 民法には次のような規定があります。

(履行の強制)
民法414条
債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、その強制履行を裁判所に請求することができる。

 債権者Aは、債務不履行に陥った債務者Bに対して、裁判所を使って強制的にその債務を履行させることができます。裁判所を使うとは、訴訟を起こすということです。
 ここでひとつポイントです。債権者は、裁判所を使って強制的にその債務を履行させることができる、つまり、債権者Aは、訴訟を起こすことができるのであって、実際に訴訟を起こすかどうかは、債権者Aの自由なのです。
 このように、民事訴訟の世界では、実際に訴訟を提起するかどうかは、訴える者の自由なのです(これを処分権主義という)。
 また、債権者と債務者の間で「不起訴の合意」を交わすこともできます。不起訴の合意とは「訴えません」という約束をすることです。そして、この「訴えません」という約束、不起訴の合意は、拘束力を持ちます。拘束力を持つということは、一度、不起訴の合意をしてしまうと、その後、いくら債務者がその債務を履行しなかったとしても、債権者は訴訟を提起することができなくなります。ですので、もし友人間のお金の貸し借りでモメていて、借りた側から不起訴の合意を持ちかけてきた場合は、貸した側の人は、十分お気をつけ下さい。
 尚、不起訴の合意がなされると、その債務は自然債務になります。自然債務とは、債務者がその債務を履行すれば有効な弁済※になるが、債権者がそれを強制することができないという、債務者にとっては実に都合の良い債務です。
弁済とは、債務を履行して、その債権を消滅させること。わかりやすく言えば、約束を果たして、その義務がなくなること。
 つまり、自然債務は「いくら金借りても絶対に文句を言わない都合のいい友人」から借金した債務みたいなものです(笑)。ですので繰り返しますが、友人間などのお金の貸し借りで、不起訴の合意を求められたら、くれぐれも!お気をつけ下さい。もし不起訴の合意をしてしまえば「いくら金借りても絶対に文句を言わない都合のいい友人」に、拘束力を持った形で成り下がってしまいますから。

 というわけで、今回は、民法からは、少し外れた内容になってしまったかもしれません。しかし、今回のご説明で、ややこしい債権分野がよりイメージしやすいものになれば、と思います。
(尚、訴訟などで実際に履行を強制させるための手続きを規定したものが、民事訴訟法です。また、このような法律は、手続法と呼ばれます。一方、民法414のような規定・法律は、実体法と呼ばれます。ご参考までに)
 次回は、債権者が訴訟を起こして、それから一体どのように「債務者にその債務を強制的に履行」させるのか、ということについて、ご説明して参ります。

債務不履行・損害賠償の超基本

 債権とは、特定の者が特定の者に対して一定の行為を請求することを内容とする権利です。
 AがBにお金を貸した場合、AはBに対して「金返せ」という債権を持ちます。一方で、BはAに対して「借りた金を返す義務」という債務を負います(債権債務の超基本はこちらの記事へ)。そしてこの場合、Aが債権者、Bが債務者となります。
 ところで、債務者が、その債務を履行※しなかった場合は一体どうなるのか?という問題があります。ここからはその問題について、わかりやすく「お金」の視点から、ご説明して参りたいと思います。
※借金という債務を負っている場合に、その借金を返済することを「債務の履行」という。わかりやすく言うと、債務の履行とは「約束を果たすこと」である。売買契約なら「買主が売主に代金を支払うこと・売主が買主に売った物を引き渡すこと」が債務の履行となる。

事例
「代金は月内に支払う」という約束をして、AはBにギターを売り渡した。しかし、月末が過ぎてもBは一向に代金を支払わない。


 これは売買契約の事例です。まずは各当事者の立場と関係性を確認しましょう。
 Aはギターの売主で、Bはギターの買主です。そして売主Aは、買主Bに対して「代金を支払え」という債権を持っています。一方、買主Bは、売主Aに対して「月内に代金を支払う」という債務を負っています。したがってこの場合、売主Aは債権者、買主Bは債務者となります。

債権者 債務者
売主A→買主B
   ↑
   債権

 そして、ここからが本題です。
 買主Bは「月内に代金を支払う」という約束をしたのにもかかわらず、月末が過ぎても一向にその代金を支払いません。つまり、Bは期限が過ぎても債務を履行しない、ということです。これを債務不履行といいます。そして、債務不履行の状態になることを「債務不履行に陥る」といいます。つまり、Bは債務不履行に陥っているのです。
 さて、Bが債務不履行に陥っているのはわかりましたが、早くBから代金をもらいたいAは、一体どうすればいいのでしょうか?民法には、次の規定があります。

(債務不履行による損害賠償)
民法415条
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。

「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき」とは、簡単に言えば「債務者が約束どおりに約束を果たさないとき」ということです。そして、そのような場合、債権者は債務者に対して「生じた損害の賠償を請求できる」ことを民法415条は規定しています。
 従いまして、事例のAは、債務不履行に陥ったBに対して、生じた損害の賠償を請求することができます。
 尚、この場合、「生じた損害」は売買代金です。しかし、それ以外の損害も認められれば、そのときは、売買代金分とそれ以外の損害分とを合わせて、AはBに対して賠償を請求することができます。
 
 以上、まとめるとこうなります。

債権者 債務者
売主A→買主B
   ↑
   債権

↓Bが債務不履行に陥ると↓

債権者 債務者
売主A→買主B
   ↑
損害賠償請求権

 つまり、債務者が債務不履行に陥ると、債権者の債務者に対する「債権の矢印」が、「損害賠償請求権の矢印」へと変貌します。恐怖の変貌です(笑)。それはまるで、アシュラマンが怒りの面に変わるかの如く、緋村剣心が人斬り抜刀斎に変わるかの如く、といった感じでしょうか。
 契約は約束です。債務の履行は約束を守ることです。みなさん、約束はしっかりと守りましょう。
 尚、債務不履行についてはこちらの記事も、損害賠償についてこちらの記事もご参照ください。

物権と比較して考える 債権の超基本

 債権とは、特定の者が特定の者に対して一定の行為を請求することを内容とする権利です。
 さて、それではこの「特定の者」とは、一体どのようなことを意味するのでしょうか?

 そもそも、なぜ「特定の者」なのでしょうか?実はこの意味について考えていくと、債権というものの、その性質・特徴が分かります。従いまして、ここからその「特定の者」について考えながら、債権という権利の性質・特徴をご説明して参ります。

債権は人に対する権利

 ところで「所有権」は債権なのでしょうか?
 違います。所有権は物権です。物権とは、物に対する権利です。つまり、所有権は「この物は私の所有物だ!」という物権になります(物権について詳しくはこちらの記事をご覧下さい)。
 一方、債権は「特定の者が特定の者に対して」一定の行為を請求することを内容とする権利です。「特定の者に対して」ということはつまり、債権は人に対する権利なのです。

物権と比較すると債権がよくわかる

 物に対する権利である物権は、一つの物に対して一人の物権が原則です(例外→共有)。これを一物一権主義といいます。例えば、あなたのギターはあなたの物、すなわち「あなたの所有物」です。全世界の他の誰の物でもありません。あなたはあなたの所有物について、他人を排して支配する権利を持ちます(排他的支配権)。もしあなたのギターを他の誰かが勝手に使っていたのなら、あなたは法律上堂々と「そのギターは私の物だ!返せ!」と主張できます。なぜなら、あなたのギターはあなたの所有物で、あなたにはそのギターの所有権(物権)があり、それは法律上当然に認められた権利だからです。あなたの所有物はあなただけの所有物なのです。あなたはあなたの所有権を不特定多数の者に主張できます。これが物権です。

 一方、人に対する権利である債権は、一人の者に対して一人の債権、という原則はありません。つまり、一人に対して複数の債権が存在することもある、ということです。ということは、一人に対して複数の債務が存在することもあります。これは現実を考えれば簡単にわかります。例えば、八百屋のオヤジが複数の問屋から野菜を仕入れれば、八百屋のオヤジは複数の債務を負うことになります。また、問屋が複数の八百屋に野菜を販売すれば、問屋は複数の債権を持ちます。
 そして、債権は「特定の者が特定の者に対して」有する権利です。AがBに対して持つ債権は、AがBに対する債権でしかありません。つまり、問屋Aが、八百屋Bにみかん10ケース、八百屋Cにみかん20ケースを販売した場合、問屋Aは二つの債権を同時に持ちますが、八百屋Bに対してみかん20ケース分の代金を請求することはできません。なぜなら、それは八百屋Cに対する債権だからです。当たり前の話ですよね。
 また、債権は「特定の者が特定の者に対して」有する権利なので、問屋Aの八百屋Bに対する債権は、他の者とは何の関係もなく、八百屋Cに対する債権とも何の関係もありません。問屋Aの八百屋Bに対する債権の問題は、AB間だけの問題です。問屋Aの八百屋Bに対する債権は、八百屋Bに対してしか主張できません。

 というわけで、「特定の者が特定の者に対して」ということの意味、そして債権の性質と特徴、お分かりになって頂けましたでしょうか。ごく当たり前に思える部分もあったかと思いますが、まずは債権についての超基本として、しっかりとおさえておいて頂ければと存じます。
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債権の世界 債権債務の超基本

債権・債務とは

 債権とは、特定の者が特定の者に対して一定の行為を請求することを内容とする権利です。
 例えば、Bにギターを売ったAは、Bに対して「おまえに売ったギターの金払え!」と請求する権利を持っています。これが債権です。

A→B
 ↑
 債権

 この場合、AはBに対して「金払え」という債権を持っている債権者になります。
 一方、Aからギターを買ったBは、Aに対してギターの購入代金を支払う義務があります。この「Aに対してギターの購入代金を支払う義務」が債務です。

B→A
 ↑
 債務

 この場合、BはAに対して債務を負っている債務者ということです。
 まとめると、ギターの売主Aは、Bに対して「金払え」という債権を持っている債権者ギターの買主Bは、Aに対して「代金支払い義務」という債務を負っている債務者、となります。

売買契約は視点を変えると債権・債務が入れ替わる

 先ほど、ギターの売主Aは債権者、ギターの買主Bは債務者、とご説明いたしました。これは「お金」という視点に立ったものです。これが実は「売買物」、つまり「ギター」という視点に立った場合は、ABの債権債務関係は入れ替わります。
「お金を払って物を買う」「物を売ってお金をもらう」という行為は、売買契約になります(売買契約の超基本はこちらの記事へ)。そして、売買契約は、売主と買主の両者が互いに債権を持ち、互いに債務を負います。どういうことかといいますと、売買契約は「お金」の視点で見れば、売主が債権者となり、買主が債務者となります。これは今までご説明したとおりです。ところが、これが「売買した物」の視点から見ると、売主が債務者となり、買主が債権者となります。なぜなら、売主は買主に対して「売った物を買主に引き渡す義務」という債務を負います。そして、買主は売主に対して「買った物をよこせ」という債権を持ちます。皆さんもお金を払って物を買ったのに、売主が物を引き渡さなかったら「物よこせ!」となりますよね?(金返せ!というのもありますが、それについてはここでは割愛します)。
 従いまして、ギターの売主Aとギターの買主Bの債権債務関係は、次のようになります。

「お金」の視点で見た場合
債権者 債務者
売主A→買主B
   ↑
   債権

ギター(売買物)の視点で見た場合
債務者 債権者
売主A←買主B
   ↑
   債権

 以上のように、売買契約においては「お金」の視点で見るのか「物」の視点で見るのかにより、債権の矢印の方向が変わります。 また、この売買契約のように、互いに債権を持ち互いに債務を負う契約を、双務契約といいます。

お金の貸し借りは〇〇契約?

 物の貸し借りは、消費貸借契約になります。そして、お金の貸し借りは金銭消費貸借契約と呼ばれます(消費貸借契約の超基本はこちらの記事へ)。
 お金の貸し借り、つまり金銭消費貸借契約は、売買契約のように「物」はなく「お金そのもの」、もっと言えば「金〇〇円という価値そのもの」が、契約の目的物になっています。ですので、売買契約とは違い、お金の視点から見た債権債務関係しかありません。従いまして、お金の貸し借りの場合は、貸し手は借り手に対して「金返せ!」という債権を持つ債権者、借り手は貸し手に対して「借りた金を返す義務」という債務を負う債権者、という図式のみになります。

貸し手 借り手
債権者→債務者
   ↑
   債権

 また、この金銭消費貸借契約のように、一方の者だけが債務を負う契約を、片務契約といいます。

補足
 ちなみに、債権の場合は、AはBに対して債権を「持つ」、あるいは、債権を「有している」という言い方をします。一方で債務の場合は、BはAに対して債務を持つ、というような言い方はしません。債務の場合は、BはAに対して債務を「負う・負っている」という言い方をします。

 というわけで、今回は債権・債務の超基本を、売買契約と金銭消費貸借契約、という二つの契約とともにご説明して参りました。今回ご説明した内容は「債権」という分野について考えるときの基本中の基本になります。債権の分野は非常に難しいです。ですので、まずはこの基本中の基本を、しっかりとおさえておいて頂ければと存じます。
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永小作権と地上権の補足

 用益権のひとつに永小作権があります。
 今回は永小作権について、地上権と比較しながら、簡単にご説明して参ります。
 まず、永小作権についての民法の条文はこちらです。

(永小作権の内容)
民法270条
永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。

 永小作権とは、小作料を支払って、他人の土地で耕作・牧畜をする権利です。
 小作料は、永小作権の要素です。小作料が要素ということは、タダの永小作権を設定することはできないということです。この点は、地代をタダに設定できる地上権とは異なります(地上権の場合、地代は要素ではない)。
 また、永小作権は物権です。したがって、永小作人(永小作権を有する者)が、その権利を自由に譲渡・賃貸することができます。この点は地上権と一緒です。ただし、永小作権の場合、永小作権の設定契約の際、その権利の譲渡・賃貸を禁止する特約をし、その旨の登記をすることができます。これは地上権ではできないことです。

永小作権の存続期間

 永小作権には、存続期間の定めがあります。
・永小作権の存続期間
 20年以上50年以下
→設定行為で50年を超える期間を定めても、その期間は50年になります。つまり、もし永小作権の存続期間60年という設定契約をしても、その期間は問答無用で50年となります。

地上権の存続期間
 地上権の場合、存続期間について、制約はありません。つまり「存続期間永久!」という地上権を設定・登記することも可能です。しかも地上権は地代をタダにすることができるので「存続期間永久!地代は無料!」という、まるで何かのキャンペーン広告のような地上権を設定することも可能です。
 尚、地上権の存続期間を定めなかった場合に、別段の慣習がなければ、地上権者は、その地上権をいつでも放棄することができます(民法268条1項)。
 また、地上権の存続期間を定めなかった場合に、地上権者がその地上権を放棄しないとき、当事者の請求により、裁判所は、20年以上50年以下の範囲内で、その存続期間を定めることができます(民法268条2項)。

補足・区分地上権

 地上権とは、他人の土地において工作物(主に建物)または竹木を所有するために、その土地を使用する権利のことです。
 ところで「土地を使用」とは、「土地の上を使用」と考えるのが通常ですが、「土地の下」つまり地下空間はどうなるのでしょうか?
 地下または空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができます。その場合、地上権の設定に際に、地上権行使の範囲、つまりその土地の使用に制限を加えることができます。これが、区分地上権です。
 普通地上権は、地下と空間に効力があります。つまり、通常の地上権でも、地下を使用する権限はあるのです。そして、区分地上権という形で、そこに制限を加えるというわけです。
 また、他に土地を使用収益をする者等がいても、その者等全員の承諾があれば、区分地上権を設定することができます。
 尚、区分地上権は「工作物(主に建物)を所有するため」であって、竹木所有を目的とした区分地上権は存在しません。したがって、竹木所有を目的とした区分地上権の設定はできません。

 ところで、区分地上権と似たような名称で、区分所有権があります。しかし、その内容はまったく異なります。区分所有権は、分譲マンション等での専有部分の所有権のことです。この点、似たような名称ということで混乱しないようにお気をつけ下さい(区分所有権についてはこちらの記事をご覧下さい)。
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囲繞地通行権と通行地役権は併存する?分筆して袋地ができたら?

囲繞地通行権と通常の地役権の設定契約

 囲繞地の所有者は、法律の定めにより囲繞地通行権を取得しますが、隣地の所有者と通常の通行地役権の設定契約をすることもできるのでしょうか?
囲繞地
 例えば、上図のA地は囲繞地ですが、この場合に、A地の所有者がC地に通行地役権を設定できるのか?という話です。
 結論。囲繞地の所有者は、隣地の所有者と通常の地役権の設定契約をすることもできます。従いまして、A地の所有者はC地に通常の通行地役権を設定することができます。
 そして、囲繞地の所有者が通常の地役権の設定契約をすると、その後は、地役権の設定契約が適用され、囲繞地通行権は消滅します。つまり、A地の所有者がC地に通行地役権を設定すると、A地のための囲繞地通行権は消滅するのです。
 なんで囲繞地通行権が消滅してしまうの?
 囲繞地通行権は「囲繞地という名の袋地」の所有者のために、言ってみればやむを得ず規定したような権利です。したがって、通常の地役権の設定契約があれば、わざわざそのような囲繞地通行権を適用する必要はなくなるので、その場合は当然に消滅するのです。

囲繞地通行権の負担を誰が負うのか

 囲繞地を取り囲んでいる四方八方の土地のうち、どの土地が囲繞地通行権により通行利用される義務を負うのでしょうか?
 これについては、完全にケースバイケースです。なぜなら、そんなことは現地を見てみなければわからないからです。そんなことまで法律で一律に規定しまうと、むしろ不備が生じてしまいます。したがって、事案ごとに、個別的具体的に、合理的な結論を出していくことになります。

分筆によって袋地が生じた場合

事例
A地とC地は元々ひとつの甲土地であったが、分筆※したことによりA地が袋地になった。

分筆とは、ひとつの土地を複数の土地に分けること

 これは、ひとつの土地を分筆したことによって、その土地のひとつが袋地になってしまった、というケースです。
(分筆前)
囲繞地(分筆)
(分筆後)
囲繞地


 さて、この事例で、A地を取り囲む土地は、A地のために囲繞地通行権の負担を負わなければならなくなるのでしょうか?
 結論。A地を取り囲む土地は、A地のために囲繞地通行権の負担義務を負うことにはなりません。なぜなら、分筆しなければ袋地(A地)は存在しなかったからです。
 分筆によって袋地が生じた場合、それは分筆した者自身の責任になります。したがって、分筆によって生じた袋地を取り囲む土地は、囲繞地通行権の負担義務は生じません。ただし、分筆された土地同士であれば、囲繞地通行権の主張をすることができます。
 したがって、事例の場合、A地の囲繞地通行権を、C地に主張することはできます。しかし、その場合は、償金の支払い義務は生じません。ですので、A地の所有者はB地の所有者に対して償金を支払う義務はなく、C地の所有者はA地の所有者に対して償金請求権を持ちません。また、この場合に、AC間で地役権の設定契約をすれば、そのときは当然にその設定契約が適用され、囲繞地通行権は消滅します。
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囲繞地通行権1

 通行地役権と似て非なるものに、囲繞地通行権というものがあります(地役権についてはこちらの記事へ)。
「囲繞地」という言葉自体が見慣れない聞き慣れないものだと思いますが、読み方は「いにょうち」です。囲繞地とは、他の土地に周りを完全に囲まれている土地のことです。
囲繞地
 上図のAのような土地が囲繞地です。
 Aのような土地に住んでいる者は、公道に出るためには周りの土地のどれかを通らざるを得ません。そこで、そのような者のために、法律の定めにより通行する権利を規定しました。それが囲繞地通行権です。

(公道に至るための他の土地の通行権)
民法210条
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

 この囲繞地通行権は、法律の定めにより生じるものです。そして「法律の定めにより生じる」というところが、通行地役権との大きな違いになります。通行地役権は、あくまで当事者同士の契約により設定され、その上で適用されます。しかし、囲繞地通行権は、法律の定めにより問答無用に適用されます。
 なんで囲繞地通行権だけそうなってるの?
 それは、もし囲繞地を取り囲んでいる土地の所有者が通行を認めなかった場合に、囲繞地は完全に使えない土地になってしまうからです。そうなってしまうと、囲繞地の所有者が困ってしまうのはもちろん、それは社会的な経済的損失にもなります。それは国家としても望ましくありません。したがって、囲繞地に関しては「土地から出らんないとなるとどうにもならん。せめて公道に出られるように、そこは周りのみんなで協力してやろうや」ということを国家のルールとして定めた、ということです。
 尚、囲繞地通行権は登記できません。というより、登記する必要がありません。囲繞地通行権は、法律の定めにより当然に発生する権利です。従いまして、囲繞地の所有者は、その登記なく堂々と囲繞地通行権の主張ができます。

囲繞地通行権は無償ではない

 さて、ここまでの説明だと、囲繞地の所有者への保護ばかりが手厚くなっているように思えますよね。しかし、そんなことはありません。

民法212条
210条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。

「210条の規定による通行権を有する者」とは、囲繞地通行権を有する囲繞地の所有者です。つまり、囲繞地の所有者は、通行のために利用する土地の所有者に対して、償金を支払わなければなりません。囲繞地の所有者が通行のために利用する土地の所有者に償金を支払わなければならないということは、通行のために利用される土地の所有者、つまり囲繞地通行権の負担義務を負う者は、囲繞地の所有者に対して償金請求権を持つことになります。囲繞地通行権の行使はタダではないのです。
 したがって、囲繞地の所有者自身も「償金」という形で負担を負うことになる、ということです、
 尚、囲繞地通行権を有する者が支払う償金ですが、民法212条ただし書きの規定により、その支払いを一年ごとにすることもできます。つまり、一年に一回、一年分まとめて支払うことができる、ということです。ただし、通路を開設するために生じた損害があった場合、その損害についての支払いについては「一年に一回・一年分まとめて」という形での支払いはできません。
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サイト運営者

根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
根本総合行政書士です。
宜しくお願いします。

保有資格:
行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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