民法?何それ?この世の中は契約社会

 こちらでは、民法について、できるだけわかりやすく噛み砕いて解説して参りたいと思います。各種資格試験を受ける等で民法の学習をされたい方、単純に民法に興味をお持ちの方、日常の法律関係で疑問をお持ちの方など、読んで頂いた皆様にとって、少しでもお役に立てて頂けるものになれば幸いです。
 尚、当サイトでは、法学初学者に向けての記述になると思いますので、その点はあらかじめご了承下さい。
 それでは始めて参ります。

 皆さんは、民法と聞いて何かピンと来ますか?おそらく、法学生や仕事で法務に携わっている方以外は、中々ピンと来ないのではないかと存じます。ですので、まずは「民法とはなんぞや?」というところから、始めて参りたいと思います。

この世の中は契約社会

 当サイトをご覧になって下さっている方で、アパートやマンションあるいは一軒家を借りて住んでいる、いわゆる賃貸不動産にお住いの方は多いと思います。実はその不動産賃貸借に関する規定が、民法の中に存在します。
 民法の条文は、全部で1044条存在します。その中に第七節 賃貸借というカテゴリーがあり、そこに不動産賃貸借に関係する規定が存在します。例えば、賃貸人(貸主、つまり家主・大家のこと)は賃貸物(賃貸している物件のこと)の修繕義務を負うとか、賃貸人に無断で転貸(また貸し)してはいけない等々。ちなみに、今挙げた例は、皆さんが家を借りる時に交わした契約書の中にも、盛り込まれていると思います。もしご面倒でなければ、今一度ご覧になってみて下さい。
 民法というものは、このように、実は我々の生活に密接に関わっています。先ほど挙げた不動産賃貸借の例ですが、これは不動産賃貸借契約になります。つまり、契約の一種ということですね。

 ところで皆さん。この世の中は契約社会というのはご存知でしょうか?と言っても、ルソーの社会契約論ではありません。まあ、いきなり契約社会と言われても、はぁ?て感じですよね(笑)。ですので、具体例を挙げてご説明いたします。
 皆さんも普段、当たり前にコンビニなどで買い物をしますよね。実はこれも契約です。その契約の流れはこうです。

1、購入の申し込みをする(レジに商品を持っていく)
2、申し込みの承諾を受ける(店員が商品をスキャンする)
3、代金を支払う
4、商品の引渡しを受ける(買った商品を受け取る)

 コンビニでモノを買うということは、実はこのような流れの売買契約になります。
 え?こんなことも契約になるの?
 はい。これも立派な、売買契約という契約なのです。
 それではここで問題です。上記の「コンビニでモノを買う」という売買契約ですが、この契約が成立するのは、契約の流れの中の1~4の内、一体どの時点だと思いますか?
 正解は2です。つまり、購入の申し込みの承諾を受けた時点で契約が成立します。このような契約を民法上、諾成契約といいます。読み方は「だくせいけいやく」です。承諾の諾に成る契約ということですね。契約には民法上、他にも◯◯契約というものが複数存在します。

 という訳で、今回は以上になります。
 さて、どうでしょう。何となく、民法が身近なものに感じて来ませんでしたか?そうでもないですか?
 次回は、契約というものについて、さらに詳しく解説して参りたいと存じます。
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諾成契約・要式契約・要物契約(寄託契約)

・諾成契約
 前回コンビニでモノを買うのも契約だ、とご説明申し上げました。そしてその契約は、売買契約諾成契約である、とご説明申し上げました。そして売買契約という諾成契約は、買主が購入の申し込みをし、売主が申し込みの承諾をした時成立する契約になります。
 さて、ここで「あれ?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうです。諾成契約には、契約書もいらないのです。つまり、契約というものは、口約束だけでも民法上は成立してしまうのです。もちろん、現実を考えたとき、例えば、企業間取引等で口約束だけで決めることはほとんどないでしょう。きちんと書面を交わした上で契約をしておかないと、後々に疑義が生じたとき、言った言わないの水掛け論になってしまいますから。ですので、当然のことながら、トラブル防止のためにもきちんとした書面は必須なのです。しかし、民法上の原則として、口頭のやり取りだけでも契約は成り立ってしまう、ということは覚えておいて下さい。

 そして、契約には、諾成契約以外の契約もあります。

・要式契約
 要式契約は、前述の諾成契約とは違い、書面なり一定の方式を経ないと成立しない契約です。 例えば、保証契約がまさににこの要式契約にあたります。民法446条2項に明確な規定があります。

[民法446条2項]
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。

 つまり、誰かに保証人になってもらうとき、誰かの保証人になろうとするときは、口頭の合意だけではダメで、書面を交わさなければならない、ということです。もし、口約束だけの保証契約でトラブルになっている方は、そもそも、その保証契約は法的に成り立っていませんのでご注意下さい。
 形「式」を「要する」契約→要式契約
 こんなイメージで覚えると記憶しやすいと思います。

・要物契約
 要物契約とは、契約対象の物の引き渡しがあって初めて成立する契約です。例えば、寄託契約が、この要物契約にあたります。といっても、いきなり寄託契約と言われてピンと来ませんよね。寄託契約とは、物を預ける契約です。倉庫に物を預けて保管してもらったりするアレです。つまり、倉庫に物を預けて保管してもらう契約は、実際に物を預かってもらって初めて成立する契約なのです。
 「物」を「要する」契約→要物契約
 こんなイメージで覚えてみて下さい。
 
 という訳で、ここまで契約というものについてご説明して参りました。民法上の契約の類型、分類はまだ他にも複数存在します。次回、その分類と民法上の契約の典型の紹介、その解説をして参りたいと存じます。

寄託契約についての補足

 倉庫に物を預けるとき、実は契約のパターンが二つあります。ひとつは、先程ご説明申し上げた寄託契約。そしてもうひとつは、賃貸借契約です。
 え?どゆこと?
 わかりやすくざっくり申し上げますと、寄託契約の場合は、物を預かって保管してもらう契約です。一方、賃貸借契約の場合は、倉庫自体を借りて自ら保管する契約になります。当然、どちらになるかにより、料金が異なるのはもちろん、物の保管に関する責任の帰属関係も変わります。「責任の帰属関係が変わる」というのは、例えば、保管物に何かあったときに誰が責任を持つのか(その原因の問題はここでは省きます)、あるいはその責任の度合い、といったものが変わるのです。ですので、倉庫に物を保管するといった契約をされる場合は、事前にそのあたりの契約内容を、よく確認しておくことを推奨します。
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13種類の典型契約 売買契約と賃貸借契約

 前回前々回と、契約についてのお話をいたしました。

互いの意思表示だけで成立する諾成契約
書面なりの一定の形式が必要な要式契約
物の引き渡しがあって成立する要物契約

 上記の分類は、「契約の成立」という観点でカテゴライズされたもので、実は民法上の契約というもの自体は、13種類の類型が存在します。その13種類の契約が、それぞれ諾成契約だったり要式契約だったりするわけです。今回は、その13種類の契約を紹介するとともに、その中の売買契約賃貸借契約について、簡単な解説をして参ります。

 以下、民法上の13種類の契約の典型です。

売買契約 贈与契約 交換契約
消費貸借契約 使用貸借契約 賃貸借契約
雇用契約 委任契約 請負契約 寄託契約
組合契約 終身定期金契約 和解契約


 以上が、民法上の13種類の典型契約になります。そして、上記の改行の仕方には意味があります。上の行から、移転型、利用型、労務型、特殊型、というように、13種類の契約を、四つのグループに分けることができます(特に覚える必要はありません)。宅建試験や行政書士試験において扱われる契約は、主に移転型利用型になります。労務型と特殊型は、あまり出題の対象にはなりません(委任、請負、寄託に関しては多少出ます) 。
 この移転型、利用型、労務型、特殊型というグループ分けは、とりあえず「そういった分類がある」ということだけ、何となく頭の片隅にでも入れておいて頂ければ、それで結構です。

日常でよく行われる契約

 ところで、我々の日常生活においては、どんな契約がよく行われているのでしょうか。

売買 贈与 交換 消費貸借 使用貸借 賃貸借 寄託
 
 このあたりの契約が、日常的に、実際によく行われるものだと思います。
 専門職以外の、一般的なビジネスにおいては、次に挙げるものになるのではないでしょうか。

売買 消費貸借 賃貸借 雇用 委任 請負 寄託

 そんないきなり羅列されてもわからんわ!という声が聞こえてきたような(笑)。はい。それではここから、売買契約と賃貸借契約について、簡単に解説して参ります。

売買契約
 これは一番わかりやすいと思います。以前に、コンビ二の買い物の例を挙げましたが、それがまさしく、売買契約になります。
 買います→売ります→お金を支払う→物を引き渡す
 これが契約の流れです。そして契約成立時購入の申し込みの承諾時、つまり、上記の「売ります」の時点で契約が成立します(諾成契約)。

賃貸借契約
 これは、物の貸し借りの契約です。前々回に挙げた不動産賃貸借は、まさに賃貸借契約です。賃貸人(家主・大家・オーナー)の所有する家を賃借人(借りて住む人)が賃料(家賃)を払って住む、という賃貸借契約になります。他にもCDのレンタルやレンタカーも賃貸借契約です。これもイメージし易いのではないでしょうか。
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サイト運営者

根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
根本総合行政書士です。
宜しくお願いします。

保有資格:
行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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