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民法

民法の超基本
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契約
動産の物権・占有権
債権の超基本~債務不履行・損害賠償請求権から差押え・強制執行、抵当権・保証債務から相殺・債権譲渡まで

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復代理、無権代理と相続
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動産の物権・占有権
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不動産賃貸借、賃借権と相続
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債権
債権の超基本~債務不履行・損害賠償請求権から差押え・強制執行、抵当権・保証債務から相殺・債権譲渡まで
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民法その他
条件~停止条件・解除条件など
用語解説 原則・例外・要件、時・とき、無効・取消し、強行法規・任意法規
民法改正について

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抵当権の処分 転抵当

 抵当権は財産権の1つです。したがって、これを処分することができます。
 抵当権の処分には、次の3つがあります。

・転抵当
・抵当権の順位譲渡、順位放棄
・抵当権の譲渡、放棄

 それでは、今回は「転抵当」について解説して参ります。

転抵当とは

 これは、抵当権自体を担保にすることです。どんなケースで転抵当が利用されるかというと、金に困った抵当権者がその抵当権そのものを担保として金を借りるような場合です。この場合、その抵当権を担保として抵当権者にお金を貸した者は「転抵当権者」となります。
 それでは具体的な事例とともに見てみましょう。

事例
BはCに融資し、その担保としてD所有の不動産に抵当権を設定した。その後、金に困ったBは、その抵当権を担保にしてAから融資を受けた。


 まずは事例の状況を確認します。
 抵当権者はBです。
 CはD所有の不動産を担保にBからお金を借りている債務者です。Dは物上保証人です。
 そして、抵当権者Bにその抵当権を担保としてお金を貸しているAが転抵当権者です。

  転抵当権者A
a債権⇨↓
  抵当権権者B
b債権⇨↓  ↘︎⇦抵当権(転抵当の担保になっている)
  債務者C 物上保証人D

 物上保証人もいるので複雑に感じてしまうかもしれませんが、まずは各者の立場と関係性を押さえて下さい。
 さて、ではこのケースで、転抵当権者Aは、いつ抵当権を実行できるのでしょうか?
 転抵当権者Aは、a債権とb債権の両方の弁済期が到来すれば、抵当権を実行することができます。ポイントはAのBに対する債権の弁済期の到来だけではダメなことです。AのBに対するa債権と、BのCに対するb債権の両方の債権の弁済期が到来して初めて、転抵当権者Aは抵当権を実行できるのです。尚、転抵当権者Aが抵当権を実行した場合の配当金ですが、まず転抵当権者Aが取り、余りがあれば抵当権者B、さらに余れば物上保証人D、となります。

抵当権Bは抵当権を実行できないのか?
 これについては、b債権の額がa債権の額を上回る場合のみ、原抵当権(Bの抵当権)の実行が認められます(判例)。なぜb債権の額がa債権の額を上回る場合だけなのかというと、原抵当権(Bの抵当権)を実行しても、配当金はまず転抵当権者Aから取ります。それで余りがあれば抵当権者Bが取ります。ですので、b債権の額がa債権の額を上回らなければ、Bが余りの配当金を受ける可能性はナイのです。Bが余りの配当金を受ける可能性がナイ場合にBが抵当権を実行しても、Bにとって何の意味もナイですよね。したがって、b債権の額がa債権の額を上回る場合のみ、原抵当権(Bの抵当権)の実行が認められるのです。

補足・債務者Cは誰に弁済すればいいのか?

 実は、転抵当は当事者同士の合意だけで効力が発生します。つまり、事例1の場合、AB間の合意だけでイイわけです。ですので、AB間の転抵当について債務者Cが知らないということもありえます。そこで民法は、債権譲渡の対抗要件の規定に従い、Bが債務者Cに(AB間の転抵当について)通知するか、債務者Cが(AB間の転抵当について)承諾しなければ、転抵当を債務者Cや物上保証人Dに対抗できないとしています。ポイントは、通知すべきはあくまで債務者Cで物上保証人Dではないということです。物上保証人Dに通知しても、それは意味を成しません。なぜなら、あくまで債務を弁済すべきなのは債務者Cだからです。
 尚、転抵当の第三者に対する対抗要件は登記です。しかし、AB間の転抵当について(第三者ではない)債務者Cに対する対抗要件は、前述の債権譲渡の対抗要件の規定に従ったもの(通知・承諾)になるのです。ここはお気をつけ下さい。
 さて、前置きが長くなりましたが、では債務者Cは誰に弁済すればいいのでしょうか?
 債務者Cが弁済すべき相手は転抵当権者Aです。AB間の転抵当について債務者Cに対する対抗要件を備えた後は、債務者Cは転抵当権者Aに弁済しなければ免責されません。転抵当権者Aの承諾を得れば抵当権者Bに弁済してもいいのですが、逆に言えば、転抵当権者Aの承諾を得ずにした抵当権者Bへの弁済は、転抵当権者Aに対抗することができません。転抵当権者Aに対抗することができないということは、債務者Cは二重払いを強いられることになってしまいかねないということです。
 尚、対抗要件を備える前であれば、抵当権者Bに対する弁済でも債務者Cは免責されます。

代位弁済について

法定代位と任意代位

 民法では「弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する」と規定されています。これは「弁済による代位」のことですが、どういうことかというと、保証人・物上保証人等が主債務者に代わって弁済をすれば、債権者に属する担保権等の権利は保証人・物上保証人等に移転するということです。もっと噛み砕いて言うと、保証人・物上保証人等が主債務者に代わって弁済をすれば、その後は保証人・物上保証人等が債権者に代わる(代位する)ということです。そしてこれは、そういう状況になれば法律上当然に適用される、法定代位です。
 一方、法定代位に対して、任意代位というものもあります。
 先ほど「弁済をするについて正当な利益を有する者」というフレーズが出てきました。これはわかりやすく言ってしまえば、保証人や物上保証人のことです。つまり、保証人や物上保証人が弁済した場合に法定代位の問題になるのです。では「弁済をするについて正当な利益を有しない者」が弁済した場合はどうなるのでしょうか?
「弁済をするについて正当な利益を有する者」が保証人や物上保証人を指すということは「弁済をするについて正当な利益を有しない者」とは、保証人や物上保証人以外の者ということになります。したがって「弁済をするについて正当な利益を有しない者」が弁済した場合とは、保証人や物上保証人以外の者が弁済した場合というこです。具体例を挙げると、保証人でもない親が子供の借金を肩代わりしたような場合です。これが任意弁済です。
 ではこの場合、保証人や物上保証人が弁済したときと同じように、債権者に属する担保権等の権利は親に移転するのでしょうか?この場合にも弁済による代位は生じます。つまり、債権者に属する担保権等の権利は親に移転します。ただし、そのためには次の2つの要件を満たす必要があります。

1・債権者の同意
2・対抗要件としての債権者から債務者(子)への通知または債務者の承諾

 つまり、親が子供の借金を肩代わりした場合に弁済による代位が生じるには、親が債務者(子)の借金を肩代わりすることを債権者が同意して、そのことを債権者から債務者(子)へ通知または債務者(子)が承諾することが必要ということです。
 以上が法定代位と任意代位です。

補足・主債務者1人に対して「弁済による代位者」となるべきものが複数いる場合

 いずれの者が弁済しても、弁済者は主債務者に対して全額の求償ができます。しかし、主債務者が無資力の場合もあります。そして、その場合のルールはあらかじめ定められています。では、どういうルールに基づき弁済者は債権者に代位(債権者に代わって債権者の権利を行使)するのでしょうか?

1・保証人と第三取得者のケース
※第三取得者とは、抵当権が設定された後にその不動産を取得した者
・保証人が弁済した場合
 この場合、保証人は第三取得者に対して代位できます。ただし、そのためには弁済後第三取得者が登場する前に保証人名義の抵当権等の移転登記を受けることが必要です(弁済当時に存在する第三取得者との関係では登記不要)。
・第三取得者が弁済した場合
 この場合、第三取得者は保証人に対して代位できません。そもそも、第三取得者は抵当付きの不動産を安く買い叩いているはずなので、代位の必要性はないと考えられます。

2・第三取得者と第三取得者のケース
・第三取得者の1人が弁済した場合
 各不動産の価格に応じて、弁済した第三取得者は他の第三取得者に対して代位します。例えば、1000万円の甲土地を取得したA、2000万円の乙土地を取得したBがいて、債権額1500万円の抵当権が、甲土地(負担額500万円)、乙土地(負担額1000万円)に設定されていたとします。そしてAが1500万円全額弁済した場合、AはBに対して1000万円(甲土地の価格)の限度で乙土地の抵当権に代位できます。

3・物上保証人と物上保証人のケース
・物上保証人の1人が弁済した場合
 各不動産の価格に応じて、弁済した物上保証人は他の物上保証人に対して代位します。考え方は前述の2のケースと同じです。

4・保証人と物上保証人のケース
・保証人と物上保証人のいずれかが弁済した場合
 頭数に応じて代位します。

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根本総合行政書士

Author:根本総合行政書士
根本総合行政書士です。
宜しくお願いします。

保有資格:
行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、個人情報保護士、情報セキュリティマネジメント、マイナンバー実務検定1級

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